シン・モバイル大後悔時代

PDAから折りたたみスマートフォンへ!

Google初「Pixel Fold」を使ってみて…

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Google Store(https://store.google.com/jp/product/pixel_fold?hl=ja)

 

iPhone歴10年を超えるガジェットオタクが、人生初の折りたたみスマートフォンを手にした理由と、使ってみて気がついたメリットとデメリットを紹介したい。

 

さらにiPhoneユーザが期待している「折りたたみiPhone」の登場についても、独断と偏見から考察してみた。

 

iPhone3GSからのiPhoneマニア

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まず、ざうるす@管理人の自己紹介だが、スマートフォンの登場する前からPocket PCやSONYCLIE、シャープのZAURUSなどのPDAを経由して、BlackBerryなどのスマートフォンを使ってきたガジェットマニアである。

 

iPhoneの土沼にハマったのは、当初「画面を指で触るなんて嫌だ」という思いからで、「iPhoneは使いにくい」と、ダメ出しをしてやろうと考えて購入したiPhone3GSからだ。

 

ダメ出しするどころか、使い勝手の良さに取り込まれてしまい、iPhone3GSからiPhone14 Pro Maxまで使い込むほどにハマることになる。

 

ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのことだ。

 

しかしここまで入れ込んできた私が、iPhoneの流れを断ち切り、Androidの分野に手を出したのは、iPhone14発表のイベントを見たときだ。

 

ドヤ顔で衝突検知機能や機能限定の衛生通信、そして画素数が12MPから48MPヘアップデートされたメインカメラが紹介された。

 

だが正直「使ってみたい機能」や「心おどる機能」はなく、意欲的な開発はもう終わりを迎えたと思ってしまった。

 

今後は、CPUや全体のパフォーマンス、カメラ画素数のアップデートに専念し、挑戦的な機能を搭載することなく、微少なアップデートを繰り返すだけと思って間違いない。

 

これは、終焉間近の携帯電話(ガラケー時代)を見れば明らかである。画素数競争に軸が移ってから、一気に売れなくなったといっても過言ではないだろう。

 

そんな時に目に入ってきたのが、注目されはじめた折りたたみスマートフォンだ。進化の頭打ちをしたiPhoneより面白そうに思えたし、周りに持っている人もいないため、使用感など聞ことさえできない。

 

そんな思いから、そっぽを向いていた好奇心が次のターゲットにロックオンしたのが、Google初の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」だ。

 

どちらを購入するべきか…

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折りたたみスマートフォンの購入を検討し始めた7月初旬、これから登場する2つのモデルで、どちらにするべきかしばらく悩んでいた。このとき候補に上がったのが、Pixel FoldとGalaxy Fold Z5だ。

 

発売がきまっていたのはPixel Foldだったが、リーク情報によるとGalaxyの新しい折りたたみスマートフォンが発売されるという情報を知っていたので、どちらにしようか悩んだ。

 

Pixel自体、普通に利用する分には問題ないのだろう。ただ、どうしてもバッテリー稼働時間が少なく感じる。また、CPUの処理性能もあまりよくないのか、ゲームにはあまり向かない。健康のために始めたDQウォークでも、戦闘シーンではカクついたりすることがある。

 

さらにGalaxyは折りたたみスマートフォンの発売から、5年が経過していることから、完成度も年々向上しているはずだ。

 

それに対して、初リリースとなるGoogleのPixel Foldは分が悪い。

 

これらのことを踏まえると、自然とGalaxyを選択すると思うかもしれないが私は違った。

 

セキュリティ重視で選択した結果

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なぜ、Galaxyではなく、Pixel Foldを選んだのか。

 

理由はOSアップデートが確実に約束されているからだ。すでにPixel7 Proを使っていたため、実績はわかっている。

 

Googleは、OSアップデートのスケジュールを公開してため、少なくともその期間は、セキュアな状態で利用する事ができるだろう。

 

セキュリティアップデートを提供しないことで、どのような結果が待ち受けるかは想像ができない。特に昨今では、AIの性能向上のためかサイバー攻撃も多種多様になり、今まで以上に複雑で巧妙になっている。

 

インターネットに接続しているスマートフォンで、個人情報や仕事などの機密情報、クレジットカードや銀行口座などの大事な資産を、ひとまとめに管理されている人は多いだろう。特にキャッシュレス決済からは、切っても切れない存在となったといえる。

 

そんなスマートフォンのセキュリティを考えないのは、鍵をかけずにオープンにしている金庫や家と同じだ。被害にあってからでは、取り返しがつかない。被害にあわないための自衛の一歩が、OSやアプリのアップデートである。

 

アプリは、アプリだけアップデートすることで、脆弱性を修正することができるが、OSはシステム全体に影響を与えるため、簡単にアップデートできない。

 

特に「ハードウェア機能が失われるという理由から、OSのアップデートを実施しない」というハードウェアベンダーが多い。クレジットカードなどのカード類に、なぜICチップが搭載されたのかを考えればわかることだろう。

 

セキュリティ強化のためである。

 

脆弱性が放置されているのに、ユーザがサイバー攻撃を受けずに利用できているのは、たまたま運が良かっただけ。この先、被害にあうことを回避することはできるかもしれないが、できないかもしれないのだ。

 

現在、増えつつあるランサムウェア被害は、アップデートの未実施が原因であると、ある大手OSベンダーが報告している。

 

そんな危険に対処できるのが、Googleの開発・発売するPixelシリーズだ。発売から5年間はOSのアップデートスケジュールが発表され、セキュリティに守られた状態で使い続けることができる。

 

私も過去、auから発売されていたAndroid OS1.6を搭載したIS01Sを利用していたが、購入後、一度もアップデートすることなく販売を終了するという、あり得ないことを経験させられた。

 

それもあって、Androidより高いセキュリティを提供するAppleへ流れていった。

 

Androidスマートフォンのデメリットだったセキュリティの低さを、払拭してくれたのがPixelの存在だ。これなら価格高騰のiPhoneから離脱できると、Androidにもう一度だけ掛けてみることにした。

 

Appleと同等のセキュリティを担保できるデバイスに、進化したPixelを選んだ最大の理由である。

 

メリットとデメリット

これまで折りたたみスマートフォンを触ったことがないわけじゃなかった。家電量販店の店頭においてあるデモ機を触り、だいたいの感覚はつかんでいたと思う。

 

ただ実際に所有することで、デモ機にインストールされていない普段利用しているアプリケーションや、タッチ決済の使い勝手など、所有しないとわからないことがたくさんあった。

 

折りたたみスマートフォンが発売された当初は、「そんなに大きな画面は必要ない」と思っていたが、否定・肯定するなら、使ったことがないやつが何を言っても説得力はない。

 

「買ってから文句や良点をいうこと」

 

これは昔、iPhone3GSを購入したときと同じ考え方だ。その思いと機種変更時期のタイミングが合致したので、Pixel Foldの購入に至ったわけだ。

 

約3週間使ってみた。

 

ファーストインプレッションは「これまでにない体験」だったが、使いこんでいくうちに「使いにくい点(デメリット)」と「使いやすい点(メリット)」が見えはじめてきた。

 

まずはデメリットだ。

 

デメリット

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・液晶(内部)は指紋がつきやすく、些細なことで傷や凹みがつく

サードパーティー製の液晶保護シートを使うと保証対象外になる場合がある Googleからの警告付き

・ケースの種類が少ない

・バッテリーの消耗が激しい ※フル充電の状態で23時間と表示される

・厚みや重量が気になる

・故障が心配(修理費はかなり高額)

 

他にも折り目が気になったり、指紋センサーの認識がよくなかったりする。マクロ撮影機能できない点やベゼルが厚いなど、他社製の折りたたみスマートフォン現行モデルと比べても、中途半端な作りになっている感じが否めない。

 

液晶の指紋について

先述したとおり保護フィルムに関しては、すでに貼り付けられているため、それを剥がしたりサードパーティー製品を貼り付けることは保証対応外となる。

 

ネットでも液晶ディスプレイの強度について、いろいろいわれているが、どうしても割れやすいのは機構上、仕方がないだろう。

 

だが、それを許容しなければ、折りたたみスマートフォンとは付き合っていけない。

 

さらにはじめから貼られている保護シートは、やたら指紋がつく。指紋を拭き取りたいが力を入れると、液晶が割れてしまうのではという恐ろしさに、見て見ぬふりをするしかない。どうしても気になるときは、優しく何回も往復して、ゆっくりと消していくしかなさそうだ。

 

なお、液晶の修理代は数十万円と聞いている。

 

そうならないように保護シートを貼りたいのに、それもできないとなればストレスでしかない。

 

私も開閉する際には細心の注意を払っているが、いつ壊れるかという恐怖と戦いながら使用を続けている。

 

対策となるかわからないが、USB-CとUSB-Aの変換アダプターにUSBレシーバをーを挿し、マウスと物理キーボードで操作し、できるだけ直接触る時間を減らすようにしている。

 

Androidは標準でマウスが使えるので、パソコンのような操作ができる点はメリットといえる。

 

厚みと重さを許容できるか

タブレットスマートフォンを別々に持ち歩いているとしたら、一つにまとめられるメリットはあるが重量は覚悟しなくてはならない。

 

Pixel Foldの重量は、Googleの公称値で283gとなっている。

 

これまで所有したスマートフォンの中で、最も重かったモデルがuniheartzのTitanだ。これは本体が303gと、スマートフォンとは思えない重量感だ。

 

どんなスマートフォンだったかの説明は割愛するが、未だにアマゾン等で購入することができるので、何?と気になった人は閲覧してみると良いだろう。

 

私は他にもiPhone14 Pro Maxなど、シリーズで最も重いモデルを使用した経験からあまり気にならないが、普段から重量級のスマートフォンを使っていない人からすると、重すぎるとなるだろう。

 

そろそろメリットにも触れておきたい。

 

メリット

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・画面の大きさ

 →動画や写真など、大きい画面で閲覧したいときに便利

 →画面2分割が見やすい(別々のアプリを起動する時など便利)

 →仕事で使うアプリが使いやすい

 →マップが見やすい

 →大きな画面のデバイススマホサイズで持ち歩ける

・マウス、キーボードが使いやすい

 →パソコンと同じようなマウスカーソルが表示されるため、操作しやすい。

・ブラウザからiCloud操作が可能

 →全てではないが一部作業が可能

 

真っ先にメリットとしてあげられるのは、タブレットスマートフォンを1台で持ち歩けるイメージだろう。タブレット並みの大きなディスプレイを、スマートフォンサイズで持ち運べるのがいい。

 

あと、iPhoneの資産もWEB経由で操作できたり、画面の大きさを活かした使い方(ブラウザをPCモードで起動することで、スマートフォンとは違うサービスを利用できる)ができたりする点もメリットといえる。

 

これらにメリットを見いだせない人は、残念ながら折りたたみスマートフォンとは縁がなかったと諦めよう。

 

折りたたみスマートフォンがささる人は買いだ!

当たり前のことを結論として書いてしまうが、まずスマートフォンタブレットの2台持ちに不満がある人は、折りたたみスマートフォンの購入を考えても良いと思う。

 

ただ、スマートフォンタブレットの2台持ちに違和感がないのなら、必要以上のコストをかける必要はない。

 

また、常に開閉時にディスプレイ破損の心配がついて回る。さらに液晶についた指紋を拭きとるにも、注意を払わなくてはならない。

 

何をするにしろ、ストレスを受けることになる。

 

ストレスを感じてまで使いたくないという人は、精神衛生上、購入することはオススメできない。もしあなたが過去に、スマートフォンを雑に扱い、壊した経験があるのであれば同じ使い方ができないことを覚悟しておこう。

 

修理代だけでもiPhone14/14 Plusを購入できるほどの出費を、覚悟する必要があるからだ。

 

このストレスは、折りたたみスマートフォンの新鮮な体験はできるが、破損したときのリスクや心身へのダメージは大きい。これらの覚悟ができたのであれば、購入を考えてもいいかもしれない。

 

Appleが折りたたみiPhoneを出す可能性!?

ここで少し別の話をしよう。

 

数年前、Galaxy Foldシリーズが発売された頃から、必ずリーク情報に含まれているのが折りたたみiPhoneだ。

 

ただ毎年、リーク情報やコンセプトデザインなどが多くのリーカーから伝えられているが、一向にAppleから正式な発表されていない。それは現行の折りたたみスマートフォンでは、Appleが認める十分な品質を保てないからだ。

 

Appleが「これなら発売できる」と、自信をもってAppleユーザへ報告できるレベルの品質を実現するには、何年かかるか予測することすらできないだろう。事実上、Appleから折りたたみiPhoneリリースはないといえる。

 

また、2023年6月に開催されたWWDCで、開発中であると発表されたVison ProというVRゴーグルは、折りたたみiPhoneを出さないことを意味しているのではないだろうか。

 

破損する脅威を感じながら使う折りたたみiPhoneと、バーチャル空間で数倍大きな画面で扱える、iPhoneiPadMacBookWindowsですら利用することができるかもしれない。

 

そう考えると少し残念ではあるが、折りたたみiPhoneの登場はないと断言せざるを得ない。

 

ただ、これから数年の間に技術革新が起こり、折りたたみディスプレイの強度が通常のスマートフォンと同等または超過し、製造コストや販売価格が下がったとしたら、Appleが動き出す可能性はある。

 

折りたたみスマートフォンも登場してから、それほど時間が経っていない。まだまだ伸びしろがある以上、期待していてもいいかもしれない。

 

まとめ!折りたたみに期待したい!!

以上が、Pixel Foldを使った私の考察だ。

 

どう感じるかは読者次第だが、国内で発売されていない折りたたみスマートフォンもあるため、今後も多種多様な折りたたみスマートフォンが登場するだろう。

 

国内では谷折りタイプが主流だが、海外では山折りタイプや引き伸ばしタイプも存在している。今後も、現在発売されている形状と違う折りたたみスマートフォンが登場することに期待したい。

 

私のファーストインプレッションは「買ってよかった」といえる評価だ。ただし、もっとディスプレイ強度の向上や、デバイスの安定性などクリアすべき課題は山ほどある。

 

正しくは「条件付き良」判断であること。

 

このまま使用し続けて2年が経過したとき、次に機種変更するときに折りたたみスマートフォンの品質向上が、今以上に良くなれば継続して同モデルを購入するだろう。

 

これからの折りたたみスマートフォンに期待したいと思う。